「酔うためじゃない。還るために飲むんだ。」
アルコールは、時として逃避の道具になる。
でも、焚き火の前で飲む酒は違う。
それは、昼間の仮面を剥がして、本当の自分に還るための鍵だ。
瓶ごと持っていくのは違う。
重いし、何より「飲みすぎる」という弱さが透けて見える。
だから、僕はこいつを胸ポケットに忍ばせる。
[Affinity] 冷たい金属、熱い液体
チタンの肌触りは独特だ。
ひんやりとしていて、でもどこか人肌のような温もりも帯びる。
焚き火を眺めながら、キャップを回す。
キュッという小さな音。
そのまま口に運ぶと、冷たい金属の感触の直後に、カッと喉を焼く琥珀色の液体が流れ込んでくる。
この落差がいい。
「俺は今、生きている」
痛みに似た熱さが、そう教えてくれるから。
[Solution] 君だけの隠し場所
誰かに注いでもらう酒もいい。
でも、本当に疲れた時は、自分のペースで、自分だけに注ぎたい。
スキットルは、まさに「自分だけの隠し場所」だ。
量は少しでいい。
良質なシングルモルトを少しだけ。
それを時間をかけて舐めるように飲む。
誰にも邪魔されない、不可侵の領域。
[Offer] 軽さは自由だ
チタンは軽い。
驚くほど軽い。
それはまるで、「重荷を背負わなくていいんだよ」と言ってくれているようだ。
ポケットに入れてもシルエットを崩さないその湾曲は、体に寄り添うように作られている。
道具というより、体の一部。
[Narrative down] 孤独を愛せるか
今夜も、星が綺麗だ。
この一杯を飲み干したら、シュラフに入ろう。
別に何が解決したわけでもない。
明日はまた、面倒な日常が待っている。
でも、このポケットの中の小さな聖域がある限り、僕はもう少しだけ歩ける気がする。
君にも、そんな秘密の場所が必要じゃないか?
乾杯。
Toma
