「誰もいない場所へ行きたい」
ふと、そう思うことはないだろうか。
仕事のプレッシャー、人間関係の摩擦、SNSで流れてくる誰かの幸せな報告。
ノイズに囲まれて、息をするタイミングさえ忘れてしまいそうになる時。
もし君が今、そんな窒息しそうな気持ちを抱えているなら、少しだけ私の話を聞いてほしい。
[Affinity] 逃げることは、悪いことじゃない
私にも、どうしても人と関われなくなった時期があった。
戦場という極限状態から帰ってきた後、平和な街の音が、逆に私を追い詰めた。
誰かの言葉がすべて刃物のように感じられ、自分の殻に閉じこもるしかなかった。
そんな時、私を救ってくれたのは「無関心な自然」だった。
雪の降る森に行く。誰もいないキャンプ場に椅子を置く。
木々は私を励ましたりしないし、責めたりもしない。
ただそこに立って、雪が降るのを黙って受け入れている。
その冷たい無関心さが、ボロボロになった心には何よりも温かい救いだったんだ。
[Solution] 焚き火という聖域
冬のソロキャンプには、孤独がある。
だが、その孤独は街中の孤独とは違う。
街の孤独は「誰にも求められていない」という欠落感だが、
森の孤独は「誰にも邪魔されない」という自由だ。
焚き火を熾す。
小さな火種が、枯れ枝を舐め、やがて太い薪へと移り、パチパチとはぜる音を立てる。
その炎を見つめている間だけは、過去の失敗も未来の不安も、煙と一緒に空へ消えていく。
火の世話をする。寒ければ服を着込む。コーヒーを淹れる。
「生きるために手を動かす」という単純な作業が、バラバラになった自分を少しずつ繋ぎ合わせてくれる。
[Offer] 君だけの小さな焚き火
大きな焚き火台はいらない。
大勢で囲んでウェーイと騒ぐためのキャンプじゃないんだ。
君が、君自身と話すための、小さな火があればいい。
これは私が愛用しているものだ。
バックパックの隙間に入るほど薄くて軽い。
組み立てると、まるで美しい彫刻のようになる。
この上で燃える火は、君だけのものだ。
誰に気を使う必要もない。薪をくべるペースも、やめるタイミングも、君が決めていい。
[Narrowing down] 今夜、少しだけ泣いてもいい
冬の夜は長い。
雪が音を吸い込み、世界には君と焚き火だけになる。
そんな静寂の中なら、普段は隠している弱音を吐いてもいい。
悔しかったこと、悲しかったこと、誰にも言えなかったこと。
火に向かって呟けば、それは秘密のまま、星空に届く。
[Action] 帰る場所を見つけるために
「強くなれ」なんて言わない。
強くなんてならなくていい。ただ、折れないように、時々荷物を下ろして休めばいいんだ。
もし君が今、限界を感じているなら、次の休みは森へ行こう。
そこには、君を待っている静寂がある。
そして、その夜を越えた時、君はきっと少しだけ、自分を好きになって帰ってこれるはずだから。
また、どこかの火のそばで会おう。
Toma
