不便を愛せ。UCOキャンドルランタンが照らす、デジタルデトックスの夜
著者:トウマ

不便を愛せ。UCOキャンドルランタンが照らす、デジタルデトックスの夜

スマホの通知音から逃れて、森に来たはずだろ?
なのに、なぜ眩しいLEDライトで夜を昼間にしようとする?
暗さは敵じゃない。友達だ。
そのことを教えてくれるのが、UCOの小さな炎だ。

明るすぎる世界で

現代人は「明るすぎること」に慣れすぎている。
街は24時間眠らず、コンビニの光は衛星からも見えるほどだそうだ。
キャンプ場に来てまで、煌々と明かりを灯し、プロジェクターで映画を見て、スマホをいじり続ける。
それでは、場所が変わっただけで、日常の延長じゃないか。
脳が休まらないのだ。
「何かを見なければいけない」「何かを知らなければいけない」という強迫観念から、俺たちは逃げられないでいる。

俺も昔はそうだった。
戦場取材の反動か、静寂が怖かった時期がある。
暗闇は「死」を連想させた。だから、明るくしたかった。
だが、ある停電の夜、蝋燭一本で過ごした時の、あの守られているような奇妙な安らぎを思い出したんだ。
「あ、これでいいんだ」と。

小さな灯台

UCO Candle Lantern (Brass)
この古臭いランタンを手に入れた時、俺の夜は変わった。
重たい真鍮製のボディは、冷やりとしていて、ずっしりと手に馴染む。
スライド式のホヤ(ガラス)を引き上げ、中にある短い蝋燭に火を灯す。

ポッ、と小さな炎が生まれる。
それは驚くほど頼りない。
LEDの数百ルーメンという暴力的な明るさに比べれば、蛍の光のようなものだ。
だが、その光は「暖か」かった。
ガラスホヤを通して広がる光は、周囲の闇を消し去るのではなく、闇と調和していた。
手元のウイスキーのグラスと、読みかけの文庫本のページだけが浮かび上がる。
それ以外の世界は、優しい闇の中に溶けていく。

時間が溶ける

このランタンには、スイッチも、電池残量計もない。
あるのは、燃えて短くなっていく蝋燭だけだ。
炎が揺れる。風が吹いている証拠だ。
炎が小さくなる。時間が経った証拠だ。

オイルインサート(オイル化)もできるが、俺はあえて蝋燭のまま使うことを勧める。
蝋が溶けていく時間経過が、そのまま砂時計になるからだ。
「この蝋燭が燃え尽きたら寝よう」
そんなアナログな時間の管理が、分刻みのスケジュールに疲れた俺たちには必要なんだ。
ただ、炎を見つめる。
過去の記憶、後悔、あるいは未来への不安。
それらが炎の中で揺らめき、やがて煙となって空へ消えていく。
それは一種のセラピーだ。

不便という贅沢

素材は真鍮(ブラス)モデルを選べ。
アルミやプラスチックとは、持つ喜びが決定的に違う。
使い込むほどに酸化し、鈍く黒ずんでいく。
その汚れすらも美しいと思えるようになったら、お前もこちらの住人だ。
重たい?それがどうした。
これは便利さを買う道具じゃない。時間を買う道具だ。
メンテナンスの手間すらも、愛おしい儀式になる。

今度のキャンプは、勇気を出してLEDを消してみろ。
UCO一本だけで過ごしてみろ。
暗闇の本来の黒さと、炎の赤さ。
そのコントラストの中で飲む酒は、いつもの倍うまいぞ。
そこで初めて、お前は本当の意味で「一人」になれるんだ。


[商品リンク: UCO Candle Lantern (Brass)]

この記事を書いた人

トウマ

「重力から解放されると、思考も自由になる。」

社会の喧騒から逃れるように森へ向かう、内向的なソロキャンパー。

地面にテントを張らず、ハンモックで宙に浮くスタイルを好む。

森の中で本を読み、珈琲を淹れ、ただ空を見上げる。

彼にとってキャンプはレジャーではなく、自分自身を取り戻すための精神的なデトックス・タイム。