夏が来た森に入る時、小さなナイフ一本で全てをやり過ごせると勘違いしている者が多すぎる。
冬の透き通った森であれば、枯枝を拾い集めるだけで事足りるかもしれない。しかし、夏の森は別だ。足元には蔦が絡み、数日で伸びきった背丈ほどの雑草や竹が視界を遮る。むせ返るような生命の壁だ。
ここで必要なのは、小細工ではない。障害物を断ち切り、自分だけの空間を物理的にこじ開ける「重さと力」だ。 そのために、私は Silky ナタ(両刃) を腰に下げる。
刃ではなく「重さ」で切る
「ナイフがあれば枝も払えるだろう」とタカをくくっている奴は、一度夏の藪に突っ込んでみるといい。
細身のアウトドアナイフでしなる蔦や藪を払おうとすると、刃が滑り、無駄な力が入り、数十分もしないうちに腕が上がらなくなる。ナイフは「削る」「切る」道具であり、「払う」「叩き折る」道具ではないからだ。
日本の伝統的な刃物である「鉈(ナタ)」の神髄は、その自重に任せた破壊力にある。Silkyのナタは、刃厚がしっかりとあり、重さがズシリと先端に乗るように設計されている。力一杯振り回す必要はない。軽く手首のスナップを利かせ、刃の重さを対象に落としてやるだけでいい。スラーッ、スラーッと、嘘のように太い枝や青竹が二つに分かれていく。
両刃という「万能」の選択
鉈には片刃と両刃があるが、薪割りから藪漕ぎまで一本で済ませたいなら「両刃」を選ぶべきだ。片刃は削りや枝打ちに特化しているが、薪に対して真っ直ぐに刃が入らない。
昔、私は気取って細身の洋斧(ハチェット)を夏の森に持ち込んだことがあった。薪は割れたが、細かく生い茂る蔓草の前では全く役に立たなかった。あの時、汗だくになりながら「やはり日本の森には日本の刃物だ」と痛感したのを覚えている。
Silkyは現代のノコギリメーカーとして世界中に名を轟かせているが、彼らの作るナタは、伝統のフォルムを残しつつ、特殊合金鋼でサビに強く、ゴムグリップで衝撃を完全に吸収するという、現代の「用の美」を極めている。使えば使うほど、手に吸い付くように馴染んでくる。
道具を敬い、森を愛す
道具は、使い手をごまかさない。
安い鉈は数回振れば刃が欠け、手首に酷い疲労を残す。だが、適切な重量と刃付けが施されたSilkyのナタは、黙って長年あなたの右腕として働き続ける。
鬱蒼とした夏の森に入り、自らの腕とナタの重みで、少しずつ野営地を切り拓く。その時の、枝が折れ、葉が散る匂いこそが、真のブッシュクラフトの始まりだ。小さなナイフを研いでいる暇があるなら、重いナタを一本持ち、森の正道を堂々と歩いてみろ。
📦 この記事で紹介した商品
Silky ナタ 両刃 (Nata Double Edge)
圧倒的な「重さ」が道を拓く。日本の森を行く者の最適解にして最終兵器。
